リーガル翻訳の需要増
リーガルはボーダレス
いまや、物流・情報・人は国境を超え、リーガル(法律)も国境を超えています(翻訳学校も、国境を超えた言語の翻訳を教えています)。
たとえば、
- 米国アマゾンから洋書を個人で輸入することができますし、
- インターネットを繋げば世界の情報を簡単に知ることができますし、
- パスポートさえあれば他国へも容易に移動することができます。
物を輸入する場合は、外国企業と売買契約を結ぶでしょうし、情報のやり取りにおいても守秘義務の問題が出てきます。
そして、売買契約や守秘義務については、当事者間で契約を結ぶことになるはずです。
いかにボーダーレスとはいえ、否ボーダーレスだからこそ国を超えた契約が必要になるのです。
それに伴いリーガルもボーダレスとなってきています。
リーガル翻訳
国を超えた契約は、事実上の国際共通言語である英語で締結されることが圧倒的に多いかと思います。
たとえば、
日本企業が外国企業と契約をする際、英語で書かれた契約書(英文契約書)がドラフトとして送られてきます。
その英文契約書の内容がわからないと契約を結べません。必然的に日本語への翻訳が必要となります。
そこで、リーガル翻訳者の出番です。米国と日本の法律に通じた翻訳者が正確な翻訳をすることで企業法務の手助けをするのです。
ここで、リーガル用語はかなり独特であることをお伝えしなければなりません。
一般的に用いられている言葉と同じ言葉もありますが、使用方法が厳密に定義されているため日常用語的に用いることが許されません。
たとえば、
- 及び
- 並びに
は、通常はなんとなく使っているのではないでしょうか?
語感で、「及び」が続かないように「並びに」を混ぜたりするくらいの扱いかと思います。
ですが、リーガルの分野では、「及び」と「並びに」には厳密な決まりがありますので、語感で使うわけにはいかないのです。
- [A] 犬及びニワトリ並びにマグロ
- [B] 犬並びにニワトリ及びマグロ
では、分類が違ってきます。
ここでは、結論だけ書いておきます。
- [A]では、犬・ニワトリ
vs
マグロ - [B]では、犬 vs ニワトリ・マグロ
となります。分け方がだいぶ違ってきますね。
翻訳学校
このように、リーガルにはリーガルの文法があります。上の「及び」「並びに」はその一例です。
ですが、リーガル文法は用語だけではありません。
実は、リーガルの命である「論理」もリーガル文法の重要な一つです。
その「論理」の大切さをわかっていない翻訳者が多い、というのが私の印象です。
たとえば、
- 「13歳未満は対象外です」
- 「13歳以上が対象者です」
この2つの文は同価値なのでしょうか?
もちろん違います。「論理」が全然違います(詳細は「リーガル翻訳者養成学校」で扱います)。
その「論理」の違いに気が付かずに書き換えをする翻訳者が多いのです。リーガルの翻訳学校でどう習ってきたのでしょうか??
- 原文の論理を正確に訳文に反映させること!
これが、翻訳の大原則です(翻訳についてはhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BF%BB%E8%A8%B3も参照)。
これを守らない訳文は、訳文に名を借りた創作です。
原文がその論理を採用した意図を翻訳者はしっかりと受け取る必要があります。
そのためには、何にも増して、原文の論理をしっかりと押さえること!
そして、そのためには、リーガルの特徴を押さえた理解を伴ったリーガルの知識・論理を有していることが翻訳者には求められます。
翻訳学校の方針参照
リーガル翻訳者養成の翻訳学校では
この点、「リーガル翻訳者養成学校」では、講師の眞榮里自身、
- 法務博士(専門職)=ロースクール卒
- 特定行政書士 (14470288)
- JTF翻訳士 (7522)
であり、リーガルの専門知識と翻訳力を併せ持ち、日々リーガル翻訳をしているリーガル翻訳のプロであるため、リーガル翻訳の講師をする上で、私の右に出る者はいないと自負しております。