原義から理解(4)terminate

terminateをめぐって
今回取り上げるのは、terminateです。
terminateといえば、『ターミネーター』
スカイネットが人類を滅亡させるために、未来の人類のリーダーとなるジョン・コナーを産んだサラ・コナーを殺害するため過去に送り込んだ殺人マシーンです。
人類の歴史を終わらせるべく送り込まれた殺人マシーンが terminator なんですね。

terminateの原義は「境界を定めて区切る」という点にあります。
境界は意図的に区切っていきます。土地の境界であれば、所有権が接する地点を確定して意図的に土地と土地を区切っていきます。
意図的に区切るという原義を持つterminateは意図的な終了を意味し、だからこそ「終わらせる」「終結させる」という意味を持っているのです。自然に終わるという意味は全くありません。

「終わらせる」「終結させる」という意味を持つterminate、これは、リーガルでは「債務不履行解除」でよく使われます。
「債務不履行解除」というのは、債務者(買主等)に債務不履行(売買契約において代金を支払わない等)があった際に、債権者(売主等)が買主の意向に関係なく、売主の一方的な意思表示だけで売買契約を終わらせることができる解除のことをいいます。
一方的に契約を終了させることができるのが債務不履行解除で、この解除は契約を途中で一方的に終わらせることからリーガルでterminateは債務不履行解除でよく使われているのです。
意図的に終わらせるというterminateの原義が、債務不履行解除にピッタリとあてはまっていますね。
原義の重要性がよくわかる用語です。

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    前回の記事は、原義から理解(3)stipulate です。
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