原義から理解(6)article

article はリーガル文書において頻出の重要単語です。
一般的には「記事・論説」などとして知られていると思います。

an article on environmental issues
(環境問題に関する記事)

Genius 6th Edition

この article の語源は、ラテン語の articulus(四肢指の関節)にあります。
関節の中でも、四肢(手足)の指の関節が最小の関節です。
関節は、骨と骨がつながる部分で、関節により、骨と骨が区切られているともいえるため、articulus には、「区切り」という意味もあります。
ここから articulus には「最小の区切り」という意味があることがわかります。
この articulus に語源を持つ article はこの語源から「最小の区切り」という原義を持っているのです。

契約書においては必ず「条」が出てきます。
この「条」とはどういう位置づけなのでしょうか?

契約書の構造を小さいものから大きいものへ挙げると、次のようになります。

  • (条が複数集合)
  • (目が複数集合)
  • (款が複数集合)
  • (節が複数集合)
  • (章が複数集合)

一番小さい単位が「条」です。
「目」~「編」までの構造の中で一番小さなまとまり(単位)が「条」で、契約書の構造のうちで、「」はまさに「最小の区切り(単位)」となっています。

ここから「条」=article となっているわけです。
このように、契約書中の最小単位としての「条」が「最小の区切り(単位)」を原義とする article とされているのは、article の原義と「条」が契約書中に占める位置から決められていることだったわけです。

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    前回の記事は、原義から理解(5)affiliate です。
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