原義から理解 (9) Consideration

約因
Considerationの語源は、ラテン語の "considerare" にまで遡り、

con(しっかりと)
sider(星を観察する)
=「星々をじっくり観察する」

という意味の単語でした。

星々をじっくり観察する⇒「注意深く考える」、「熟慮する」
という意味に転じました。

英米契約法において、「約因」という言葉があります。
約因は英米契約法において、契約が法的拘束力を持つために必要とされています。
日本では当事者の意思表示の合致(合意)があれば契約は成立し法的拘束力を持ちます。
しかし、英米法では、単なる合意には法的拘束力が認められず「約因」が必要とされているのです。
ここで「約因」とは、約束と引換に何かを差し出すこと(契約の対価)をいいます。
何を渡して、何を受け取るのか。
簡単に言えば、ギブ&テイクの関係があることが「約因」です。

「約因」はconsiderationです。
「注意深く考える」、「熟慮する」の意味を持つconsiderationが契約の文脈に置くと、契約を結ぶ際に当事者が「熟慮する」(consideration) ことは、何を渡して、何を受け取るのか(約因)、ですからまさに約因はconsiderationとなります。

約因は、契約の効力発生要件ですから、英文契約書を作成する場合のみならず、翻訳の際にも、その理解が重要となります。

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