情報構造、条文構造とリーガル翻訳
情報構造
情報構造について。
話し手(書き手)は、自分の伝えたい情報がある場合、単語を並べてその情報を伝えていきます。
単語の並べ方はどうなるでしょうか?
通常は、
既知情報(旧情報)に対して、新情報を追加していくことで既知情報について話を広げていくことになるはずです。
たとえば、AとBに共通の知り合いのJohnさんがいる場合に次のような会話があったとします。
John is going to marry Rebecca, apparently.
ABの共通の知り合いであるJohnのことを取り上げて(既知情報=主題の設定)、そのJohnがRebekkaと結婚するらしい、と新情報を追加しています。
ここからわかることは、伝えたい情報がある場合、主題(舞台)を設定して、新情報を追加するという構造になっているということです。
1:主題(舞台)の設定
2:新情報の追加
条文構造
法令の条文も同じです。
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。
民法5条1項本文
この条文では、
主題(舞台)は、未成年者が法律行為をする場面です。
新情報は、その法定代理人の同意が必要だ。
ということです。
リーガル翻訳への反映(情報構造、条文構造)
注意を要するのは、主題(舞台)を設定してから新情報を追加するという条文構造に従って翻訳をするということです。
原文が、主題(未成年者が法律行為をする)→新情報(その法定代理人の同意必要)という並びになっているので、英訳する際にも、その並びで翻訳をする必要があります。
当たり前のことなのですが、それを徹底するのは意外に難しいことだと思います。
リーガル翻訳をする際は、情報構造、条文構造を忘れることなくその構造にこだわって翻訳をすることを常に心がけなければなりません。
当リーガル翻訳者養成の翻訳学校では、情報構造と条文構造に注意を払って翻訳をするように徹底しています。
リーガル翻訳者養成の翻訳学校
当リーガル翻訳者養成の翻訳学校は、
- 法務博士
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の翻訳者である真栄里が講師を務める翻訳学校です(運営は、株式会社 英文契約サポートセンター沖縄)。
小手先ではない、リーガルの本質を理解した一生物の翻訳力をつけたいと願う方向けに当校を開講した次第ですので、リーガル翻訳者になりたいと本気で考える方(既にプロとして活躍されている翻訳者のみならず、これから翻訳者になりたいという方でも本気であれば大丈夫です)のご応募をお待ちしております。
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