原義から理解(1)規定する

規定するをめぐって
法務(リーガル)文書で頻出の単語の一つに [provide] があります
[provide] は、「~を提供する」という意味で有名です。
[provide A with B] という構文でよく使われます。

Naha City provides residents with public services.
那覇市は、住民に公共サービスを提供しています。

とはいえ、[provide] には、「規定する」という意味もあり、法務文書ではこの意味で使われています。
なぜ、[provide] が「規定する」という意味で使われるのでしょうか?
ここで[provide] の語源を理解することが重要となります。

pro(前を)
vide(見る)

という[provide] の語源からすると、[provide] の原義は、

先を見越して必要なものを用意する

となります。

ここで、契約書の役割を理解することが [provide] の理解に必要となります。
契約書には、契約当事者の権利義務が規定されます。
これは何故かと言えば、契約当事者が契約の履行完了を見越して起こりうる事態を想定し、その事態を回避するために必要な手段を権利義務として規定する必要があるからです。

上のような[provide] の語源(前を/見る)から、[provide] の原義は「先を見越して必要なものを用意する」となります。
契約書の役割は、契約の履行完了を見越して起こりうる事態を想定し、その事態を回避するために必要な手段を権利義務として規定し、当事者間の紛争を防止し・解決するという点にあります。
つまり、権利義務を規定するというのは、履行完了までの先を見越して、紛争防止・紛争解決に必要なものを用意することであって、まさに[provide] の原義にピッタリとあてはまります。
そこから、法務文書での「規定する」には [provide] という語が用いられているのです。

翻訳(たとえば日英)学習は、日本語に対応する英単語を覚えることではありません。
何故その日本語の英訳としてその英単語を用いるのか?日本語と対応する英単語を語源・原義に遡って理解することが不可欠です。
日英の表面的な対応関係だけでは誤訳にしかなりません。
原文の深い理解と英語の深い理解のどちらも必要です。
翻訳において専門分野があるのは、専門分野の専門知識がないと正確な翻訳をすることができないからです。

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